こんにちは! インドネシアで日本語学校を運営しているサトです。
Web3とかメタバースとかNFTとかよく聞くようになったけど、いまいちわからない……。
……とお悩みではありませんか。
わたしはメタバース本を読み漁ってきましたが、Web3やNFTも含めてとにかく解説がわかりやすい1冊に出会いました。
この記事では、『テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』という本をレビューします。
『テクノロジーが予測する未来』の著者について
まず、本書の著者である伊藤穰一氏をご紹介しましょう。
本書の「著者略歴」によると、伊藤氏の現在の肩書は、次のとおりです。
- デジタルガレージ 取締役
- 共同創業者 チーフアーキテクト
- 千葉工業大学 変革センター長
1つ目と2つ目はピンと来ないかもしれませんが、3つ目の「千葉工業大学」では、次のような大きな仕事に携わっていらっしゃいます。
テクノロジーにあまり明るくない人たちが国家のビジョンを描き、ゴールを設定している。このテクノロジー全盛時代に、です。これではビジョンもゴールも的外れになるのは不思議ではありません。こうした不合理を正す一端を担えたらと、現在、僕が取り組んでいるのが千葉工業大学変革センターでの仕事です。
伊藤穰一著『テクノロジーが予測する未来』(2022年 SBクリエイティブ)より引用しました。
詳しくは本書に譲りますが、人材育成にも注力されているそうです。
その他、伊藤氏を知る上で大切なエピソードを本書から引用します。
時間をさかのぼって……こちらです。
1984年頃からモデム(インターネットの利用を可能にする装置) を使い、インターネットに親しんできた僕は、おそらく、ITの歴史をつぶさに見てきた数少ない日本人のひとりではないかと思います。
伊藤穰一著『テクノロジーが予測する未来』(2022年 SBクリエイティブ)より引用しました。
なんと、40年近くもインターネットを使われているんですね!
また、2011年から2019年まで、あのMIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボ所長を務められ、日本に戻られました。
なぜ日本に戻られたかというと、次のようなめちゃくちゃかっこいい理由があったんですよ(太字はサトによる)。
日本社会のアーキテクチャーを、新しいテクノロジーにふさわしいかたちへと変革していく。いまこそ、その手伝いをするときだ、という考えから、約14 年ぶりに日本に拠点を戻しました。僕は自分自身にとっても、僕の大切な人たちや子どもにとっても、日本が暮らしやすい国であってほしい。
伊藤穰一著『テクノロジーが予測する未来』(2022年 SBクリエイティブ)より引用しました。
「アーキテクチャー」や「web3」については本書に譲りますが、とにかく「今の日本に変革をもたらして、よりよくしたい」という思いで日本に戻られたわけですね。
そして、デジタル庁の「デジタル社会構想会議」にも参加されています。
そんな伊藤氏が書いた本では、どんなことが学べるのでしょうか。
本書で得た学び(3点)
わたしが本書を読んで得た学びは、次のとおりです。
順に見ていきましょう。
メタバースで教育の可能性が広がること
まず、メタバースで教育の可能性が広がることです。
本書には、次のとおり書いてあります(太字はサトによる)。
現実世界では、ちょっとした段差にもつまずいてしまうお年寄りが、メタバースだと自由自在に移動できて、「こんなに自由に動けるなんて最高!」と表情が明るくなるところをたくさん見てきたそうです。
伊藤穰一著『テクノロジーが予測する未来』(2022年 SBクリエイティブ)より引用しました。
自閉症やADHDなど、いわゆる発達障害とされる人は、人と相対してのコミュニケーションが苦手な場合が多いようです。 (中略)ところがメタバースに入ると、そういう「コミュニケーションに障がいがある」とされる人々が、生き生きと、スムーズに他者とコミュニケーションをとりはじめるそうです。
伊藤穰一著『テクノロジーが予測する未来』(2022年 SBクリエイティブ)より引用しました。
現実世界では物理的な移動やコミュニケーションに苦労していても、メタバースなら乗り越えられるということですね。
実は、上に挙げた例はいずれも教育だけの話ではありません。
ただ、教育に与えるインパクトも大きくなるのは間違いありません!
ちなみに、わたしは今までメタバースについての本をいろいろ読んできました。
その中で何度も「メタバースでは身体性から解放される」という主張に触れてきたのですが、これは単に「外見を自由に変えられる」とか、「物理的に移動しなくてもいい」というだけの話だと思っていたんです。
ちゃんと読んでいなかっただけかもしれませんが……。
でも、それだけではなく、もっと大きな可能性があることを学びました。
「NFT」や「DAO」などがどういうものかということ
次に、「NFT」や「DAO」がどんなものかということを学べました。
今まで読んできたメタバース関連の本にも解説があったのですが、本書の解説がいちばん分かりやすいと感じています!
事例をたくさん挙げてくれるのはもちろん、とにかくことばがシンプルなんですよ。
例えば、「DAO」については次のように解説されていました。
DAOとは、「Decentralized Autonomous Organization=分散型自律組織」です。この形態の組織では、「経営者→従業員」といった上意下達ではなく、何事もメンバー全員参加のもとで直接民主主義的に決められます。
伊藤穰一著『テクノロジーが予測する未来』(2022年 SBクリエイティブ)より引用しました。
まずはこのようにシンプルに定義した上で、豊富な事例を挙げてくれるので、イメージがつかめました。
さすがに事例をすべてここに書くわけにもいきませんので、詳しくは本書をお読みください!
プラットフォームが崩れている例
最後に、プラットフォームが崩れている例を学びました。
本書によると、次のとおりです。
事例として、フリーランスの受発注のネットワークをDAO化し、「人材派遣会社が間をとりもって高比率の中間マージンをとる」という既存の構造を変容させているコミュニティなど、おもしろい取り組みもいくつか見られます。
伊藤穰一著『テクノロジーが予測する未来』(2022年 SBクリエイティブ)より引用しました。
ここで重要だと思うのは、人材派遣会社という、言わばプラットフォームが崩れているということです。
一方、日本語教師と学習者をつなぐプラットフォームもあり、これを利用して日本語の授業をすると手数料(マージン)を払う必要があります。
学習者が発注側、教師が受注側と考えれば、同じ理屈で「プラットフォームにマージンを払う構造」を変えられる可能性があります!
ちなみに、國光氏が書いた『メタバースとWeb3』という本でも、「ブロックチェーンを使えばプラットフォームを使う必要がなくなる」という趣旨のことが書いてありました。
DAOもブロックチェーンを使っているので、伊藤氏も國光氏も同じものを見ているのかもしれません。
まとめ
この記事では、『テクノロジーが予測する未来』という本をレビューしました。
わたしが得た学びは、次のとおりでした。
記事には書ききれませんでしたが、メタバースがどういうものかなど、基本的なことも学べます。
気になるなら、ぜひ一度読んでみてください!
1,000円以下でお求めやすい値段ですし。
オススメのメタバース本3選
なお、メタバース本はいろいろあってどれを読めばいいか迷っているかもしれませんね。
そこで、わたしが今まで読んだ10点以上のメタバース本の中から、3点をピックアップしました。
どれも無料で読めますし、内容も間違いないものです。
特にオススメのメタバース本(3点)を紹介する記事はこちらです。ぜひお読みください!