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[書評/感想]『メタバース進化論』

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サト

こんにちは! インドネシアで日本語学校を運営しているサトです。

教育に携わっていると、メタバースの存在が気になりますよね。

そして、「メタバースを体験してみたいけど、マナーとかあるの?」

……と思っているかもしれません。

サト

わたしもVRゴーグルを買ってcluster内を歩いてみたものの、本当に歩いただけで終わりました……。

なのでマナーなども気にせずに済んだのですが、今後は初対面の方と交流する可能性もあるので、少しでも学んでおきたいところです。

そんなときに、「メタバース歩きのガイドブック」とも呼べる本を見つけました。

この記事では、『メタバース進化論』という本でわたしが得た学びをご紹介します。

『メタバース進化論』の著者について

まず、本書の著者をご紹介しましょう。

「バーチャル美少女ねむ」(以下、「ねむ氏」)です。

ねむ氏は、次のような肩書をお持ちです。

ねむ氏の肩書
  • メタバース原住民
  • メタバース文化エバンジェリスト
  • 自称・世界最古の個人系VTuber
  • HTC公式・初代「VIVEアンバサダー」

「メタバース原住民」「VTuber」というだけあって、次のような(未来を感じる)動画がYouTubeにアップされていました。

また、公式アンバサダーを務める「HTC VIVE」というのは、台湾の会社(HTC)が作ったVR機器です。

わたしはHTCというと「スマホメーカー」というイメージが強かったのですが、VRゴーグルなども開発していたんですね。

さて。ねむ氏はメタバースで活躍されていますが、本名など素性を一切明かしていません。

サト

初めはわたしも「正直、怪しいな……」と思っていましたが、Amazonのレビューがよかったので手に取ってみました。

そして、本書を読み進めていくうちに、広い知見と深い洞察力を持ってメタバースを論じていることに驚きました(わたしが評価するのもアレですけど)。

例えば、経済についてこんなことを書いています。

そもそも「経済(Economy)」とは、社会のなかで人と人とが価値を交換し、より幸せに生きていくための社会システムのことです。よく誤解されますが、「お金」はそれを効率化するために発明されたツールに過ぎず、お金儲けは経済の本質ではありません。国家の経済政策なども一つの方法論に過ぎず、あくまで本質は社会で生きていく私たち一人一人の人間の幸せを最大化することにあります。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

また、ご自身の知見だけでなく、1,200人を対象に行なった調査(ソーシャルVR国勢調査)の結果も交えて話を展開されているので、より説得力が感じられました。

サト

昼間はメタバースの外で働いているとのことで、「めちゃくちゃ仕事できそう」という印象を受けましたよ。

では、本書から、どんな学びが得られたのでしょうか。

本書で学んだこと(3点)

本書でわたしが学んだことは、次の3点です。

ちなみに、冒頭で「メタバース歩きのガイドブック」と書いたのは、1点目の学びがあったからです。

では、順に見ていきましょう。

メタバース(ソーシャルVR)の歩き方

まず、メタバース(ソーシャルVR)の歩き方です。

なぜ「(ソーシャルVR)」と書いてあるかをご説明しましょう。

ねむ氏によると、現時点で「メタバース」の条件を(ひと通り)満たしているのはソーシャルVRだけだからです。

本書では、次のとおり述べています。

(前略)当然ですが現時点で全ての要素を百点満点で満たす「完全なメタバース(Perfect Metaverse)」は存在しません。ただし、全ての要素を最小限満たす「必要最小限のメタバース(Minimum Viable Metaverse)」は存在します。私は「ソーシャルVR」がそれだと考えており、(後略)

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

メタバースの条件が何なのかは本書に譲るとして、ねむ氏にとっての「メタバース」が「ソーシャルVR」ということです。

「ソーシャルVR」というのは、次の動画のようなものですね。

ねむ氏も「ソーシャルVR」を次のように説明しています(太字はサトによる)。

「ソーシャルVR」とは、オンラインの三次元仮想空間でアバターの姿でコミュニケーションを行うことができるサービスのうち、VRゴーグルで没入体験が可能なものを指します。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

「コミュニケーションを行う」と書いてあるので、実際に使う前には注意点を知っておいたほうがよさそうです。

サト

特に、メタバースで起こりうる現象も知っておくと安心でしょう。

例を見てみましょう。

ソーシャルVRでの現象(例)

本書で紹介されているソーシャルVR内の現象のうち、わたしが「知れてよかった」と思ったのは、次のようなものです。

例として3つだけご紹介しますね。

まず、スキンシップについて。

初対面の相手や気の知れていない相手から一方的にアバターでスキンシップを受けるとどう感じますか」と聞いたところ、VRChatの場合、 43%が「不快」という結果でした。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

わたしはソーシャルVR内でスキンシップを取ることを想像しただけでも抵抗があります。

ただ、慣れてきてもここは気をつけようと思いました。

また、次のような現象もあるんだとか。

アバターの身体が他の人に触られたときに「実際に触られたような感じがした」と数多くのVRユーザーが報告しています。これは「ファントムセンス(VR感覚)」と呼ばれるもので、アバターの身体を脳が実際の身体と誤認識することによってさまざまな感覚を疑似的に感じる現象です。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

「ソーシャルVR国勢調査」によると、45%の人がこの「実際に触られたような感じ」を経験したことがあるんだそうです!

なので、こういう新しい現象が自分に起こっても、心配しなくてもいいことがわかります。

最後に、いちばん驚いたのはこちら。

「ソーシャルVRで恋をしたことはありますか?」と聞いたところ、VRChatの場合、 40%がYESでした。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

想像しがたいのですが、こういうことも起こり得ることを知っておくのは、心の準備として必要かもしれません。

ちなみに「VRChat」は「ソーシャルVR」のひとつで、この「VRChat」をいちばんよく使うユーザーの4割が恋をしたことがあるということです。

サト

「スキンシップ」「ファントムセンス」「恋愛」とも、ねむ氏ひとりの経験ではなく、1,200人を対象に行なった調査の結果なので、説得力がありますね!

メタバース内での仕事の今までとこれから

次に、メタバース内での仕事について学べました。

すでに、メタバース内で働いて収入を得る例があるんだとか!

それも、メタバース外での仕事に近い形で。

本書にある例は次のとおりです(太字はサトによる)。

HTC VIVEがVRChatで行っている「VIVE Wonderland」というワールドでは、最新のVR機材などの実寸大3Dモデルを展示しています。そこに常駐する一般のお客さんに対する説明スタッフとして、アバターの姿で働くことができるのです。時給制になっており、ちゃんとアルバイト代がもらえるようになっています。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

また、これからの仕事について、日本語教師にも関係がありそうなものはこちらの通りです。

英会話や特殊なスキルなどを持った人が、個人で対人レッスンをするようなビジネスも登場するでしょう。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

メタバースで外国語を教える将来は、想像しやすいですよね。

そして最終的には、次のような予想をしています。

究極的には物理現実におけるあらゆる職業がメタバースで置き換えられ、ほとんど全ての人がメタバースで働くようになっていくでしょう。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

この「究極」の形がいつ実現するかはわかりませんが、メタバースについて学んでおいて損はなさそうです。

メタバースの関連技術

最後に、メタバースの関連技術についても学べました。

例えば、次のようなものです。

メタバースの関連技術
  • VRゴーグル
  • トラッキング技術
  • アバター技術
  • 音声技術

特にわたしが驚いたのは、音声技術です。

音声技術そのものよりも、まだ制約が多い中で、いろいろな工夫でカバーしていることに心を奪われました。

たとえば、次の動画を見てみてください。

動画では「両声類」チームと「ボイチェン」チームに分かれています。

「ボイチェン」は「ボイスチェンジャー」を使っているんだろうなと想像がつくと思いますが、「両声類」とは何なのでしょうか。

本書には、次のとおり書いてあります。

ボイストレーニングにより習得した発声技術を使って普段とは違う声で音声会話をしている人たち。中でも、男女の声を自在に出し分けられるレベルに到達した人のことを、畏怖を込めて俗に「両声類」と呼ぶ。

バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』(2022年 技術評論社)より引用しました。

技術の壁をなんとかして乗り越えようとしている事実を踏まえて動画を見ると、さらにそのすごさに気付かされます。

サト

それほど、メタバースでの活動に価値を感じている方々がいるということの裏返しでもありますね。

まとめ

この記事では、『メタバース進化論』という本でわたしが得た学びをご紹介しました。

次の3点でしたね。

他にも、ここに書き切れなかった学びがたくさんありました。

少しでも気になるなら、手に取ってみてくださいね!

オススメのメタバース本3選

なお、メタバース本はいろいろあってどれを読めばいいか迷っているかもしれませんね。

そこで、わたしが今まで読んだ10点以上のメタバース本の中から、3点をピックアップしました。

どれも無料で読めますし、内容も間違いないものです。

特にオススメのメタバース本(3点)を紹介する記事はこちらです。ぜひお読みください!

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